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1 土地賃貸借契約の終了

(4)正当事由

(ロ)土地の有効利用計画
  • 私は土地を賃貸している地主ですが、周辺の所有地も使ってマンションを新しく建設しようと考えています。借地人との更新を拒絶するには正当事由が必要と聞いていますが、土地の有効利用の必要性という事情はどのように考慮されるのでしょうか

  • 正当事由の有無の判断
    正当事由は、下記(1)から(4)等から判断されます。
    (1) 借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とする事情(自己使用の必要性)
    (2) 借地に関する従前の経過
    (3) 土地の利用状況
    (4) 借地権設定者が土地明け渡し後の条件として又は土地の明け渡しと引換えに借地権に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出
    土地の有効利用の必要性と有効利用の具体的計画
    土地の有効利用の必要性と有効利用の具体的計画がある場合においては、その他の事情と合わせて、賃貸人の更新拒絶の意思表示に正当事由が認められる可能性は高いと思われます。
    対象土地が都市計画上容積率500%の防火地域内にあって、その周辺では近時土地利用の高度化が進み、中高層のマンション等が建てられているという状況で、貸主は対象土地を利用して五階建マンションの建築を計画し、また、対象土地上の建物は使用に耐えないというほどではないが、全体として相当に疲弊した状態にあるというケースで、裁判所は、「原告側(貸主)の本件土地のより高度な利用を図りたいとの事情は、その地域性からしても社会経済上の利益に合致するものというべきところ、被告側(賃借人)には現状を維持することにそう大きな利益があるとは言い難い情況にあるものといわざるを得ず、右双方の事情を彼此勘案するときは、老境にある被告の本件建物から離れ難いとの心境はそれとして理解し得ないではないが、原告側の社会経済上の利益にその座を譲らざるを得ないものというべき」として、地域性を重視して土地の高度な利用を優先させて明渡請求を認容した判例(東京地判昭61.1.28判時1208号95頁)など、有効利用の必要性を理由に明渡請求を認めた判例は多数あります。