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2 建物賃貸借契約の終了

(5)正当事由 

(ニ)老朽化・建替え
  • 私は、鉄骨4階建てのビルを賃貸している大家です。この度、建物の老朽化が激しいため現在本件建物を取り壊し、周囲の土地と合わせて大規模な住宅棟及び商業用ビルを建築する予定です。借家人に立ち退いていただく場合には、正当事由が必要と聞いておりますが、このようなケースで正当事由が認められのた事例を教えてください

  • ご質問のようなケースで正当事由の存在を肯定し、立退きを認めた事例として以下の事例があります。
    (事案)
    (1) その事例で問題となった建物は、都心にある築後30年を経過した鉄骨4階建てのものでした。
    (2) 賃貸人は、正当事由として以下のような主張をしました。
    (イ) 本件建物は、昭和42年に新築されたものであり、建築後すでに約30年が経過している。
    (ロ) 本件建物は、現在老朽化が著しく、屋根や外壁の腐食及び鉄骨部分の老化などが進行し、各所に水漏れがある。これらに応急的な補修措置を施すだけでも約1440万円の費用がかかる。
    (ハ) 賃借人は、東京都内において本件建物のほかにも世田谷に店舗を有しており、その店舗の売り上げは本件建物における売上の2倍となっているので、本件建物における営業は、賃借人の営業のうち主たるものとはいえない。
    (ニ) 立退料として2900万円または裁判所が相当と認める額を支払う用意がある。
    (3) 賃借人は以下のように主張しました。
    (イ) 立退き条件によっては本件建物から退去することは拒否しない。
    (ロ) 被告は本件建物において30年以上営業をしてきた。
    (判旨)
    その事例において、裁判所は4200万円の立退料の支払いを条件として正当事由を認めました。(東京地裁平成9年9月29日)